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REWIRED

Amazonと他社の価格水準が比較できる1枚のチャート

Amazonと他社の価格水準が比較できる1枚のチャート

by 岡田吉弘


Eコマース分析を行う Profitero が毎年出しているジャンル別の価格ベンチマークレポート、「Pandemic Price Wars」と名付けられた2020年最新版が11月20日に公開されました。

この資料内の価格比較チャートが、各ブランドやモールが取りうる戦略の差が確認しやすく非常に面白いので、かんたんにご紹介したいと思います。

 

 

全業種の8割以上でAmazonが最安値

レポートによると、採用した21の製品カテゴリーのうちの8割以上にあたる18つのカテゴリーで、北米Amazonがもっとも安い平均価格を提示しているとのこと。(同一製品パッケージで比較)

以下はその18のうちの8つが含まれる表です。(画像が小さくてすみません) Walmart や Target といった大手小売企業と比較すると、Amazon は 6%〜35%の価格差をつけて最安値を提示していることが分かります。特に家具(Home Furniture)はすごい差ですね…!

amazon_price_comparison

参考:Amazon is the most competitive online retailer when it comes to price

 

企業ごとの価格戦略の差

価格差を見ていると、企業ごとの方針の差をぼんやりと感じとることができそうです。

たとえば、大手の Walmart はほとんどのカテゴリでAmazonに対して価格差を数%以内に抑えて競争力のある価格帯を維持する方針を採っているのに対し、同じく全ジャンルで競合する Target はそこまで価格差を接近させてはいません。実際 Walmart とは少し取り扱い商品の幅が違いますし、接客体験等で差別化を図ることで極端な価格競争にならないようにする戦略のようです。

また、CVS や Walgreens といったドラッグストアチェーンや、Macy's のようなジャンル特化型のリテイラーの場合、Amazon より5割以上も価格が高いカテゴリも存在しています。

ドラッグストアであれば、そもそも最安値で勝負しているわけではなく、薬の処方や相談などの専門性や、パーソナライゼーションでの顧客体験の向上によって利益を創出するような運営をしていることが伺えます。

自社はどこを目指すべきか

Amazon が圧倒的に価格優位性を誇る中で、大手以外の小売店やメーカーはどのようなポジションを目指すべきでしょうか。

レポートに記載のある回答を要約すると以下になります。

小売店に向けて

Amazon や Walmart に価格で勝負しようとしないこと。ほとんどの企業にとって戦略的に合わず中長期的には必ず負けてしまうため、価格とは別の方法で差別化して価値を提供する必要があります。

それは品揃え(専門的な商品ラインナップ)、優れたサービスと評判、パーソナライズされた購入体験などが当てはまるでしょう。

メーカー/ブランドに向けて

自社カテゴリー内での小売業者の価格設定を知り、観察することが重要。美容やペットのような価格競争が激しい分野では最安値に向かってメーカーと小売店が競争していく構造ができやすいため、利益に大きなマイナスインパクトになる可能性があります。

こういった価格レースに巻き込まれないためにも、メーカーは以下の4つの分野に投資する必要があります。


1. オンラインMAPポリシー(最低広告価格の設定)
2. 不正転売業者の特定
3. 小売業者の独自SKU(パッケージ商品など)の特定
4. ブランド価値が下がる価格ライン

 

上記は結論としては至極真っ当に思えますが、言うは易し行うは難しです。「そんなかんたんに差別化できるなら苦労しないわい!」という声が聞こえてきそうです。

また、オンラインMAPポリシーについては、小売業者に対して「これ以上下回る価格を表示してはいけない」という最低小売価格の提示にあたるので、独占禁止法との絡みもあってアメリカでも州によっては禁止されているところもあります。

メーカーにとって小売店との関係は難しいです。流通チャネルがオンラインにシフトしつつある中、後発の D2C が盛り上がる理由も分かる気がします。

ちなみに、メーカー用の Merchant Center である Google の Manufacturer Center では、自社の製品を扱っている小売店の平均価格帯を見るレポートが公開されています。メーカーにとってモニタリングは非常にたいへんな作業ですが、こういうオンラインツールを活用するだけでも、小売のデジタル化の第一歩となるはずです。

 


この記事を書いた人:岡田吉弘

株式会社リワイアの代表です。フィードフォースの取締役とアナグラムの監査役も兼務しています。企業がデジタル的なものをうまく扱うためのお手伝いが主な仕事です。